ARP-40TU G3 ハブの異音と点検

ホイール 作業日報

こんばんは。

割りと初期に組んだARP-40TU G3 (Z○NDAハブ)のフロントからたまにキュルキュルという異音が発生するとの事でお預かりしました。

ついでに前後とも点検したところ、振れ等は全く出ていませんでしたが、スポークテンションが均等に緩んできていたので増し締めを行いました。


画像は作業後。


初期の頃のリムなのでカーボン柄が最近採用しているモノ(12K綾織り)よりも細かい3K綾織りです。
別に今でも3K綾織りでのオーダーも可能です。

で、肝心の異音ですが、お客様のお話ではキュルキュル鳴ったり治まったりで、特に回転も渋くなっている感じも無さそうとの事です。

お話を伺った時点では、こちらに使用しているゾンダのハブを含めカンパ系のハブは、ボールレースの更に奥側に受け皿っぽい形状の樹脂パーツがありまして、それが何らかの拍子にズレてスピンドルに干渉しているのではないかと推測していました。

お預かりした時点では異音は鳴らなかったのですが、カサカサーといった感じに何かが薄っすら擦れている様な感触がありました。

取り敢えずハブをバラしてみましたが、特に樹脂パーツがズレているという事もなく、組み付けは至って正常でスピンドルに干渉しているところも、干渉していた様な痕もありませんでした。

こちらのゾンダハブはCULT化しておりまして、ほぼ油分が無い状態でベアリング内部に細かい塵が入り込んでいました。

カルトベアリングはグリス不要なのでメンテナンスフリーとか言ってる方をたまに見掛けますが、カンパ系のハブは防塵性能は大した事無いので定期的にハブの分解洗浄を行い、グリス不要とはいえ一応玉に柔らかめのオイルを薄っすらと塗っておくのが良いかと思います。

取り敢えず異音の原因は完璧に特定する事は出来ませんでしたが、恐らく細かいゴミや塵などが侵入し、リテーナーとベアリングの間に噛んでベアリングをロックした状態になり、それで回転させるとボールレースと乾いたベアリングが擦れてキュルキュル鳴って、暫くするとその噛んだゴミが粉砕してまた玉がちゃんと転がる様になり異音が鳴き止んだ、といった感じではないかという見解です。

実際にベアリングの洗浄を行いオイルを塗布したところ、カサカサーと薄っすら擦れている様な感触は緩和されたので、取り敢えずこれで様子を見て頂くという事でご納得頂きました。