こんばんは。
初期レーゼロカーボンのリアのみ調整をご希望でお持ち込み頂きました。
画像は作業後。
調整希望との事で、確かにぱっと見で大きい横振れが2ヶ所出ていましたが、調整だけで済ませられる様な状態ではありませんでした。
リムは結構摩耗していて、スポークは全体的に傷だらけで無事なスポークの方が少ない程で、フリーボディのロックナットが完全に緩んでいたのと、玉当たりが緩く少しガタつきがあり、更にハブの回転が非常に渋くゴリゴリとかなり強めの嫌な手応えがあり、玉当たりを緩めても締めても手応えに変化はありませんでした。
このゴリゴリは、どこかのベアリングが損傷している可能性が高い為、取り合えず分解・洗浄をして必要なら部品交換を行う事になりました。
分解・洗浄したところハブベアリングは左右とも問題なかった為注油し組み付け、回転ゴリゴリの原因はフリーボディのベアリングでした。
こちらのフリーボディ(スチール製のヤツ)は、半年程前に新品購入してお客様ご自身で取り付けされたそうで、その際にロックナットの締め付けが甘く、緩んでフリーボディが動いてしまう状態で使用されていた為ベアリングが破損したのかもしれません。
しかし、このカンパ系ホイールのフリーボディロックナットが緩んでいるケースは割りと多いのですが、これが原因でフリーボディのベアリングが損傷したという事案は今まで(当店では)ありませんでしたし、「緩んだ状態で使うとこういう風に壊れる可能性アルヨ」という納得のいく理屈がイマイチ立ちません。
とりあえず当店が保有していた程度の良好な中古ゾンダフリーに交換する事になりました。
元フリーのシール・爪・バネは使用歴半年程度という事で状態が良かった為、中古フリーに移植しました。
傷だらけのスポークについては早めの全交換推奨レベルなのですが、なるべくコストを掛けたくないとの事で、表面的に傷付いているだけのモノはそのままで、最も損傷の激しい1本だけ交換する事になりました。
中までクラックというか、割れがある状態です。
外したら曲がりもありました。
このスポークを交換しても全体的に大小の振れが出ているので、やはり全交換した方が良いのは確実ですが、全交換となるとリアのスポーク代だけで5万円を優にに超えてしまいますし、リムもかなり摩耗している為どうせ組み換えるならリムも一緒に交換しないとむしろ勿体ないくらいなので、買い換えた方が安いし早いという事になってしまいます。
で、ダメージの入っているアルミスポークを増し締めするのは破断リスクを爆上げする事になってしまいます(調整中にバッチーンも往々にしてあります)ので、スポーク様のご機嫌を伺いながら緩める方向のみで振れとセンターを調整しました。
