Shamal Mille 調整

ホイール 作業日報

こんばんは。

シャマルミレの調整でお預かりしました。


画像は作業後。

こちらのホイールは練習用としてご使用されてるそうです。

道無き道を進んで木の枝等を巻き込む事もよくあるそうで、スポークには無数の傷が入っているのと、ハブベアリングが前後ともザリザリした手応えがあり、特にリアは玉当たりがかなり強めな様でしたが、ハブのメンテナンスは後日ご自身でされるとの事と、今回はスポーク交換はせずに調整のみという事でご依頼頂きました。

状態としては、フロントは横振れ+0.3/-0.1 縦振れ±0.15 センター左へ0.1㎜ズレ、スポークテンションはまぁまぁ張ってあり、バラつきはほぼ無し。

リアは横振れ±0.2㎜ 縦振れ+0.2㎜/-0.3㎜ センターDSへ0.15㎜ズレ、スポークテンション緩めでバラつきもやや有り。(変形等が由来の様)

シャマルの軟質な乗り味が好みではなく、先日調整したレーゼロカーボンが好感触との事で、レーゼロカーボンと同じくらいまでスポークテンションの増し締めをご希望でしたが、1ヶ所DSのニップルが(固着ではなく)リムに喰い込んでいる様な手応えで非常に嫌な感触の渋みがあった為レーゼロカーボンと同じ所までは張れませんでした。

しかし、元の状態よりはかなり張れています。

NDSには曲がっているモノが1本、傷が深いモノが2本あり、増し締めの過程で破断しないかドキドキしながらの作業でしたが、無事に終えました。

フロントよりもリアの方がスポークテンションがかなり緩い状態だったので、ハードな使い方でリアスポークは伸び気味だったのかもしれません。

それに加えて傷・変形がある上に、今回更に増し締めをしたので、スポークが破断するリスクはかなり上がってしまっている状態かと思います。

スポークには現在色々なマテリアルが使用されていますが、中でも特にアルミスポークは経年劣化で破断するまでが早いです。

更にシャマルなんかはスポーク本数が少ない上にリアはG3組なので、1本破断するだけで縦横に大きな振れが出て走行は困難になるかと思いますし、その状態で何とか無理矢理にでも走行しようと頑張ってしまうと破断していない他のスポークに想定外の方向から負荷を掛けてしまう事になるので、スポーク全交換案件になります。

カンパのアルミスポークはいいお値段しますので、全交換となると作業工賃も含めて結構なコストになってしまいます。

補修パーツが高額で、耐久性も低く、何よりベースの乗り味が合っていないホイールというのは、練習用としての適性はかなり低い様に思いますが、特に趣味の世界では何をどんな用途で使うかなんてのは個人の自由ですので、そこに口出しをするのは野暮ってモンです。